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老い―孤立と孤独

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社会福祉法人 横須賀基督教社会館
館長 阿部 志郎

老い―孤立と孤独

様々な理由で人間の寿命が延びた事により、我が国では、老人間題と呼ばれる問題が起きて来ました。その一つとして老人の自殺がありますが、それは老いの拒否です。

なぜ私共は老いから逃げようとするか、それは私達が人生を上がり坂と下り坂にたとえて考えて来たからです。定年を境に下り坂となり、この下りを老いと呼びその先には死があるのみと考えてまいりました。しかし、上がり坂と下り坂という考え方でなく人生最後まで上がり坂という考え方もあります。それは人生の最後まで成長を続けるという事で、仏典は「今や白髪の時来たればまさに学道の時なり」と人間最後の最後まで学ぶ心を失ってはならないと教え、聖書は「白髪は栄えの冠である」。白髪とは人生の栄光の象徴だからその象徴めざして最後まで山を登りなさいと教えています。
ですから、自分の死を自分の人生の中でどこに位置づけるかという事が大切でこれは人生の宿題としてお互いにこれから取り組んでゆく課題であると思います。

さて老人になると様々の悩みに遭遇致します。まず、経済、次に体、第三に家、住宅の問題と家族(高齢社会)の問題、第四に「独りぼっち」という問題。老人の一人暮らし、社会的孤立という問題です。この孤立については福祉が充実すればある程守れますが、無用という問題については守れません。それは役割の喪失でもあります。この間題に私共は今、非常に悩まされています。

横須賀で数年前に大変困った教育問題が起こりました。それは、ある中学生が弁当を箸を使わずかぶりついて食べ、それが公立中学全てに広がった事です。この間題を通して言える事は、我々はパンなくして生きることはできないが、そのパンは「権利としてのパン」として与えられるべきであるということです。人間はどんなに貧しくても衣食住というのは手段であり、より高い理想に向かって生きようとするのが人間なのです。あまりの豊かさに私共は、今日あらゆる意味で生きる意味を見失いつつあるのではないでしょうか、そして自殺というのはその一つの徴候であります。
社会的に孤立をしてゆく、その事は守ることが出来ても、孤独という問題は守れません。

では、この孤独に私共はどうすれば耐える事が出来るのでしょうか。ボランティア活動への参加もその一つの方法です。ボランティアという意義は自分の中に他人を存在させる、他人と関わる事によって他人存在をますます膨らませてゆくという事です。そして、もっと大切な事は、他人の幸せを願える人になるという事です。他人が存在しない自己愛に私共は生きる存在でありますが、こういう中で一体どうすればいいのでしょうか。我欲を捨てる事、それが人間が穏やかに明るく生きる一つの道でしょう。

聖書には「自分を愛する様に隣人を愛しなさい」とありますが、これは「人と共に生きよ」という事です。今日の社会は名前を隠している匿名社会であり、お互いに人格を隠すので実に自由な社会ではありますが、そのゆえに事故があっても死んでも気が付かない、そして様々な問題を私共が持っても相談する相手がない。誰に訴えていいか見当もつかない。一人で悩む。それが自殺につながってゆくという状況です。

ここにこの間題を持っている人と人を結びつけようと、これが「いのちの電話」という試みで匿名です。誰がどんな問題を訴えても顔も見えない。名前も知らない。匿名という誠に現代的な方法でありますが、そうであってもそこに人と人との人格的関わり、我と汝という関係を打ち立てようという願いが「いのちの電話」には込められているのです。人格的に関わらなければ問題の解決は出来ないからです。人格的出合いによって初めて人と人が共に生き、共に育つ事が出来るのに違いありません。

私共の人生の喜びは一体どこに源があるのでしょうか、喜びの上に孤立であろうと孤独であろうと越える事が出来るとするならば、その喜びを私共はどこに求めたらいいのでしょうか。それは、明日を見つめる時にのみ与えられます。明日への希望が私共に喜びを伝えるのです。マザーテレサは「喜びを運ぶ器になりなさい」と私共に求めております。喜びを自分だけのものにしないで人と分かち合う、運ぶ器になりなさいと。

希望の「望」、望みという字は踵を上げて新月を仰ぎ見るという象形文字です。私達は、人生において様々の経験、すなわち喜びの日、悲しみの日、嬉しい時があり、苦しい時があります。

しかし、どの様な時であろうと上を仰ぎながら、人生の山の頂を目指して、一足、また一足と登り続けたいと心から願わずにはおられません。皆様方の御健勝と御慈愛を心から祈ります。
(文責、元木)

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